それどころではない

 

 

土曜日は基本的に自虐的。とはいえ、飲み過ぎた頭で午前中に再配達の予約をしたレターパックを待って、届いてから1時間以内にポストに返した。できる限りの最速だったからこれで手続進められないと言われても知らん。

 

法学を学んでいて思うのが、社会は人の内心なぞ見ていなくて書面化されたものをもってそれを当人の意志とする。厳密には意思だけど、保証契約の成立要件に書面が必要なのは、なんというか、書かせてしまえば無理矢理書かされたという反論を封じることができるのだろうなと。一応、説明としては義務なきところに義務が生じるから熟慮してちゃんとした形式を求めるというのがあるけど、実際理性的に考えて他人の義務の肩をもつなんてない訳で、法律外の関係による強制みたいなことには無感知。まぁそうするしかないということなのだろうけど、言質で人は分からない。

 

そういえば、某ウイルスの国家として日本の対策について。あんまり調べてないけど、他国家に比べるとまだまともだと思う。補填は足りないけど、どこまでが補填の境界なのかと考えるとなぁ。好感が持てるのは、国家権力をあまり行使しないところ。自粛要請がこの現象に対する限界だと思うから。

 

インドで、外出禁止令を破った人に対して腕立て伏せをさせている動画とか、日本の女子大生が断言されたら外出しないって言ったとかを聞くと、人は知性を持っていると思い込むのはまだ早そうだなと。僕が思っている知性のイメージは経験則で物事を切り分けることではなくて、未知に対して自分で決断できるかどうか。断るよりエネルギー使うと思う。このエネルギーの省略のために知識とか宗教がある。

 

物理的移動は憲法221項が保障する実体化した権利で、国家が軽々に強制力を行使して制限できるものではない。移動の解放感は素朴な自己意識がある人なら分かるともうけど、社会的場所の移動だけでなく精神とも繋がっている。個人的には移動の観念はかなり個人的なところに依っていると思っているけど。だからこその自粛な訳。不謹慎な話だけど、もっと致死率が高ければとっくに国家権力を行使できる。そんな法律があったはず。隔離できる程致死率が高くないのに、

 

人の移動がどれだけコスト=利益をもたらしているのかが分かった最近だと思う。人は時空を移動したい衝動がある生物。肉体より観念がやや広くできてしまった。だから、移動するもしないも自己判断だけど、なるべく控えて下さいっていう国民の決断に期待する政治ができる日本はまぁまぁまともだと思う訳。現金とか商品券は手段の話だから、まぁまぁどうでも良い。あと、もう一回言う。補填は足りない。

 

移動と言えば、僕がド田舎のほとんど移動手段がない世界で育ったからかもしれないけど、交通手段を当たり前に考える人が多い。移動手段ってここ50年くらい特に変わっていないけど、鉄道、飛行機、車がなかった時代に生きた閉塞感は今の比ではなかっただろうなと。通信手段もそう。恋人との電話代が凄いことになった時代からするとラインとか電話代定額になった昨今の発話の距離の近さよ。どんなことも使っているうちに当たり前になるけど、当たり前はもともと誰かが積んできた奇跡ということを忘れないように。

 

新幹線使えば想い人の気まぐれ飲みたい要望に何時までだったら行けるだろうとか準備に

余念がない。そこまで時間を費やしている訳でもないから、たぶん11時くらいだろうなとフェルミ推定。たぶん一回もないだろうけど、一回はあるかもしれない。楽しいかどうかは知らないけど、自分で在って良いのだという感覚は得られるはず。知らんけど。

 

恋愛感情というのはままならないもの。心配は欺瞞だと思うのだけど、どうしたのだろうと思ってしまう。心配が自己満足なのは、自分が直に観測できればそれが終わるから。本当に相手の自由を想ってないことによる。自分の世界にその人が居れば良いだなんてとても不自由な観念ではなかろうか。自分の世界に居る人だけが関係だという価値観は誰から学習したものなのだろう。

 

ところで。

 

社会美学が面白くなってきた。石川さん。社会現象には善悪の前に美醜があるとか。とても分かる。そうして、美醜を感得するためには、当人が社会を客観的に見なきゃならないとか、全人格的に美学に突っ込んだ人だったのだろうなとか。

 

社会とはなんぞやと聞かれたら、だいたいの人は自分が生きて居る場を前提とした見識しか答えられない。そこに美醜の観念はない。

 

美醜が分かる感覚も良く分からない。けど、美しい社会というのは確実にあって。例えば、新幹線から窓から眺める生活。桜と同じくらいには美しい。

 

ある意味惚気だけど、僕が生活美を感じたのは想い人がきびきび働いている姿だったりして。顔が好みとか依怙贔屓とは別に、見惚れてしまった。無駄がないこと。

 

 

ただ、この恋愛感情が無駄なのだろうと思っていて、これを殺してくださいって言ってみたけど、帰って来ない。

 

まぁ恋愛感情って、自転している自他がお互いに留める現象みたいなもの。

 

何の義務がない関係では、巡り合うことがほぼ在り得ない。

 

おしまい。