空気感

 

髭剃り買ってきた。朝起きて髭剃りが稼働しないのはとても困るから必要な外出。中心部から離れたまぁまぁにぎわっている駅界隈だったけど、歩いている人に危機感は感じられなかった。人は確かに少ない。店員さんも暇なのかとても親切に教えてくれた。ほんとは前もってちょっと調べて決めていたのだけど、それでも教えてくれるのであれば教わる。

 

電動髭剃りだって、1つの人間工学。前は一般的な三枚刃にしていたけど今回は円形のものにした。面白そうだったから。お風呂の時に試しに剃ってみたけど顔を平面ではなく立体で捉えたデザインなのだろう。剃り方が違うから違和感があると言っていたけど、そういうものかという感じ。狙っていたのより1つスペック高いものを購入。肌には確かに優しそう。血も出ないしほとんどヒリヒリもしない。体に触れる物にケチってはいかん。

 

もちろん本屋にも寄ったけど、ほんと田村さん法律学に力を入れてくれなくなった。民法改正関係しか需要ないのも分かるから、危険を覚悟で買いに行くか、中身を確認できない覚悟でネット購入しかない。

 

さておき。

 

明日からもっとも早番。職場にはシフトが7種類あってだいたい30分ごとに区切られている。早い方が早く終わるから良い。明るいうちに帰れる。

 

これから若干呪詛を吐くのでお気をつけて。

 

早めに弁当の準備。簡単に埋められる卵を買い忘れたために、2品副菜を作ることになった。きのこのゆかり和えともやしとワカメのナムル。レンチンは同時に。

 

そんなことはどうでもよくて。

 

通話システムは凶器だ。厳密には、使う人の問題だけど。

 

音楽流していたら途切れたから、きっと着信だろうなと思ってみたら案の定母親から。お風呂もちょうどたまったし、義務は早めに解消したいしゆっくり入りたいからすぐ折り返したのだけど、話し中。この状態が一時間続く。お風呂に入れないとその先のことがなんにもできない。結局、明日にして。と、ラインを送った。

 

控えめに言って滅茶苦茶腹が立った。普通の関係だと空いた時に返せば良いから、素朴な情愛の関係であれば問題ないこと。ただ、ここには義務の設定があって着信があったのであれば必ず返さなければならない。僕の折り返しの義務なんてなんとも思ってないのだろうなというところに帰結する。明日にしてと言ったのも初めてだけど、ちゃんとまともに変化している。温くなってしまったお風呂で本を読むみじめさ。

 

僕がどういう生活しているかはどうでも良くて、ただ自分の可処分時間に相手の時間も使う。僕が連絡をしないのは、そんな時間はないからと言ってしまって良いのだろうか。

 

この話、別に母親が煩わしいという話ではなくもっと素朴な価値観に関わる話。自分が相手をモニタリングできて初めて関係であるって、通話している瞬間には相手は素朴な生活ができていないということで。あんまり厳密に考えてもしょうがないけど、僕はこういうのが当たり前だと学習してきていて、再学習するハメになった。最初の価値観はだいたい僕の素朴とズレていた。

 

まだこんな関係が僕の世界に残っていることがとても嘆かわしい。もちろん母親だってそういう関係しか知らないっていうフォローはできるけど、今さら更新できるとも思えないし。もっと言った方が良いのかな、貴方が設定する義務で僕の世界はいちいち歪むのだけどって。

 

モニタリングできることと愛着はきっと直結している。でもこれってその対象を対象として認識しているということではなく、自分の現実の一部とした主観的観念だと思われる。例えば、他人との愛着で考えたとき、他人を存在として認識するのであれば、自分が観測できない範囲に行ってしまうということも不可避だと思うけど、それはない。あくまで自分の現実の一部であるという前提の上の対象に対する好意。

 

前提とか設定の話は、感情は雰囲気という客観的なものだって社会美学の本とも繋がる。感情を気温と同じように感じることはままある訳で、感じやすい人でなくても、その場の空気感は分かる。結婚式で泣いてしまいそうになるのがまさにそう。であるなら、感情ってほんとに個人的なものなのかということになる。個別的な感情であればそうだけど、社会的な感情だとどうか。

 

社会美学は、社会という場に焦点を置いている学問だけど、現代人は社会に関わってないことはないから、そもそも素朴な感情を認識できないところに生きているのでは。僕は別に今日の怒りを誰かに伝播しようとは思わないし、僕の感情を分かってもらって嬉しいとも思わない。

 

なんだかこういう感情って、人間の自他をコントロールするフェロモン的な物質なのかもしれない。

 

僕は言葉に本心を乗せているけど、相手が自分の意図通りに動けばいいなんて、仕事以外ではやっちゃいけないとも思う。いや、人生を1つの仕事と見ればありなのか。

 

とりあえず、想い人が好きだ。

 

おしまい。