交換不要

 

 

 

実家から送られた白菜がやけにしなっているから良く見ると。中心に花が咲いていてしかも腐っていた。市販品ではないからこんなこともある。使える部分の救済措置でざく切りして塩もみして、6缶パックにたまたま付いていたジップロックにつめこんだ。しばらく副菜の心配はしなくていいな。いつまで持つかはしらないけど。あんまりこういう手法は好きではないけど致し方ない。

 

開き直りの世界。

 

今日はベルトを締め忘れてジャケットが脱げなかった。あと、小雨の中通勤で歩いているとコンクリートから食べごろの筍が生えていた。誰かが忘れたにしてはちゃんと天に向かっていた。でも市販品のようには見えなかなった。帰りのスーパーで見かけた筍は「100円」で安すぎだろうと思ったけど、よく見れば100100円だった。どうあっても500円くらいはする。ただ豚肉と同じくらいと考えればそれほどでもないのかもしれない。さっさと糠で下茹でしないと。ジップロックがいっぱいあるのもそういうことか。一気に三個。

 

とても細かくて軽そうな雨の日、感触がないから傘を差すかどうかがやや迷う。レンゲの絨毯は雨をものともせずに占有率を増やしていた。桜は花と緑が半々になっていて、綺麗じゃないとは思わないけど、なんだか本性が見えてとても良い。生き生きしている。儚さの象徴にしておくなんて勿体ないくらい。強かさの象徴でもいいんじゃないか。

 

さておき。

 

存在の話。

 

想い人に送った恋文で、おもいつきだけど、僕が貴方の綴る言葉に惹かれるのは現実のことを書いていても現実感がないからって書いた。けど、正しくは生活感なのかもしれないなと思いつつ、現実感と生活感の違いも良く分からないなと。当然褒め言葉である。

 

例えば、僕の言葉には生活感も現実感もあまりない気がする。むしろ生活感は言葉の外にあるはず。ほぼ周期的に更新されるというのは太陽と表するのはおこがましいけど、今日もこの時間が来たかという目印くらいにはなる。リアルタイムで読んでいる人はあまりいなくて、きっと起きた後が多いのだろうなと想像しているけど。

 

たぶんリアリティがある日記というのは、感情によって内面世界が動いたという報告文書という気がする。僕がこれを読んで面白いと思うかは完全に関係ない話だけど。

 

そう、いつ挿入しようかと思っていたけど、ここかな。フィリップさんの小説は良い感じに狂っている。神の観念とか宇宙が非理性的だとか、普通に読み進められる僕もまぁまぁ狂っている。今ならドグラ・マグラも読破できそう。

 

そうして。

 

「現実とは、それを信じなくなっても消えないものだ」みたいなフレーズが出てきたところで止めている。そうだと思う。例えば、人の存在は自分が信じた範疇から外れても継続するけど、信仰はそれをやめたら神様は居なくなるのかもしれない。

 

僕は何かを信仰している個人を否定することはないけど、宗教自体には割と懐疑的なスタンス。何かが返って来るために信じて行動基準を教義に合わさないといけないというのはなんでなのかという意味で。僕は素朴に神様はまぁ居るかもしれないなとは思うけど、何か個別に僕にご利益をもたらしてくれる神様は居ないと思うし、なんなら普通に個別的な他人の方がご利益くれるよなという感じ。

 

ただ、日本の無神論的な観念は、信じて基づいて行動する基準が神様ではないだけであんまり変わらないと思う。ご利益があるかどうかはともかく、不利益はないわな。僕は1人でお弁当食べるときにこっそりいただきますと手を合わせるけど、食に対する感謝でもないし、飢えないような願いでもない。祈りも。

 

存在論が面白いというよりは、僕が具体的に所有しているハイデガーさんの存在と時間が面白い。前読んだ人の線引きが滅茶苦茶ヒートアップしていて。赤線と紫線がいっぱい惹かれている。何か存在について認識を転換したかったのだろうなぁと。

 

現存性は距離の隔たりをなくすことだけど、現存性を把握するための道具とは隔たりがあるという話。眼鏡とか街路は当人にとって物理的に把握できる存在というか現実より遠いところにある。遠いというのは、現実として把握できる対象ではないということ。この局地はきっと自分の肉体とか感覚なのだろうな。

 

社会美学の話は、社会を味わって表現する手法みたいなパートになったのだけど、なんだかやっぱり他人事的な視点なのだろうなと思う。関係が美しいというのは重々分かるけど、自分と誰かの関係が美しいって思うためには自分も他人事として観測しないといけない。仕事ならなんとなく分かるけど、プライベートで誰かと綺麗に関係するなんてどうでも良いところでしか無理。

 

 

まぁこんな感じでお仕舞。

 

あとはラブレター送って寝よう。

 

 

では、おやすみなさい。

 

皆さんが安らかでありますように。