無く無く

眠い。何かぼやぼやぼやと考えていて寝たかどうかも分からないけど、何か夢を見た気がするから、たぶん少しは堕ちたのだろう。昨日は温いお風呂に入って体温が上がり切ってなかったのもあると思う。今日はその点は大丈夫。交感神経活発化させよう。

 

何を考えていたかというと、自分が自分である限り手を伸ばしてはいけない、手が届かないものに対する想いはなんだろうということを道具にして寂しさを掘り進めていた。空っぽな感じがしたから空虚かなと思ったけど、虚ろではあっても空間じゃないからやや違う。一番近そうな言葉は虚無だろう。

 

感情の源泉は寂しさだとしても、感情も言葉も人格もない状態は虚無。無が黒いイメージなのは、光が無いという観念からだろう。光さえ吸い込むブラックホールも黒い穴だし。でも僕が考えていたのは、光という観念さえ生まれていない、なんにもない状態。なんだか夢を見ていない睡眠にも似ているけど、死にも近いのか。色も付けられないから、生きている状態では想像すらできないなぁとか。ただし、人は生まれる過程でそれだったことがある。無から有になった瞬間はいつで、有から無になる瞬間はいつだろう。

 

別に暗い思考というわけではなく、こういうところに立ち返るのも悪くはないなと。宇宙とか地球とか規模の大きいことを考えて自分のちっぽけさを観測するのと逆で、自分の中に無限があるみたいな。別に救われたりはしないけど、悪くはない。

 

さておき。

でもないか。

 

この文脈で、なんとなくお祈りを変えようかと考えた。幸せみたいな曖昧な言葉じゃなくてもっと具体的に。全宇宙規模のものは、満たされますように変えて、個別のものは執筆が進みますように。

 

でも、満たされないから人は発展するのだっていうのが現代の定説だから、ほどほどにという限定は必要かもしれない。満たされても動ける人間像って理想的な社会主義みたい。満たされていない人の数っておそらく人類史上そこまで変わらないと想像するのだけど、不満が良く見えるようにはなったのかなという気がする。個人的な発言が全世界から閲覧できるようになったので。

 

ともあれ、色んな考えの人がいるものだ。今日ちらりと見かけたところでは、自分の身を守りたいなら性交渉の際に避妊具をつけるように女性も意思表示すべきという説に、言えずに悩んでいる女性への二次加害だって反論があって、盛り上がっていた。反論の方は、性交渉を迫るのは男性という前提で迫る側が同意を取るべきというなんとも偏っている感じ。僕としては他人の性事情というかプライベートに口を出すのはどちらにせよ無粋で、磨り合わなきゃしょうがないとは思う。個人的にこういう問題は起きないし。個人主義と謳いながら色んなことを社会の問題にしたいのだろうなと。後者に向けてだけど。

 

ただ、どちらが優しいかという観点から見ると、優劣はつけやすい気がする。後者の意見の方が優しそうだけど、これをつぶやき場で言われたところで現実に悩んでいる人の性事情は変わらないし、こんな寄り添われ方で救われる人はあんまりいないと思う。前者の方は、実現すれば現実が変わるし、人は簡単に他人を掬うことはできないから、自分でどうにかするしかないということ言っていて、地に足が付いていると思う。

 

そうして、考え方についての考察。

僕は色んなことに関して考え方を述べているけど、これって純粋な自分の考え方とか言葉はどれくらいあるのだろうとか。今現在の自分の考え方が純粋なものだとするなら、例えば3年前くらいの思い出に浸りながら書いていたらその時分の自分の考え方に影響されながら書いているだろうし。

 

自分の時系列より深刻なのが、外界との境界線。ある人の文章や思想に触れて想起された考え方はどうなるかとか、逆に反対の考え方が生まれたとしても、反対解釈的な影響かもしれないし。考え方の最初は虚無から外界に触れて生まれている訳だから、何にも影響を受けていない考え方というはないのかもしれない。

 

まぁ、何にせよ言葉として現実化したものはその人の思考と観測されるから、どんな影響があろうと外から見る限り自分の純粋な考え方という捉え方でも問題はないと思う。なんなら過去に現実化されたものだってそうだから、時系列の問題もなくなるし。

 

確かに考え方を対話のように見るなら、自分の考え方もあまり変動していないと観測されるのかもしれない。人と接することで自分が固定化される。これは逆も然り。

 

ただ、内側では。

 

 

ともあれ。

 

伊坂さんの短編3つめ。面白く没頭した後、この人どうやって物語を創っているのだろうとふと気になる。なんとなくだけど、この短編集に限っては、あるネタをオチにしようとして結末から創ったというがする。なんだか有川浩さんの話でそういうのがあったような。読者としては面白いから何でもいいのだけど。

 

もうこんな時間か。

 

では、おやすみなさい。

良い夢を見られますように。