手触り
クリーニングに出したスーツの回収と心身の食糧を調達するために外に出ると、雨がやんで空はちょうど夕方と夜の間だった。騒音にならない程度には飛行場が近くて、今日もちょうど夕日側のとこに映えていた。夜側では満月。あぁあれから月周期で1回転したのかとの感想。思い出に時間は関係ないけれど。
飛行機が白いのは何故だろう。塗料で言えば使う量は変わらない。先端の陶器、いや先端が陶器なのはスペースシャトルだったか。思考には決着を付けなきゃならないから、恐らく太陽光からの熱の吸収量を減らすだろうなという暫定。
僕が想う「思考」とはこういうことで、基本的には主観的に答えがないことを対象とする。こういう簡単な問いは少し調べればきっと分かるし、現実的に影響があることであれば調べることもする。例えば「オクラ 弁当 おかず」とか。調べた甲斐あってオクラは胡麻和えになった。だいたいの野菜は胡麻和えになることができる。醤油と砂糖と水とほんだし。メインは豚肉と玉ねぎとブロッコリーの芯の焼き肉風炒め。醤油と鶏ガラとコチュジャンと豆板醤。そういえば、近所のスーパーでご当地フェアをしていた。長崎県の。そうして、お惣菜コーナーでも長崎料理があったようだけど、そこではご当地「風」になっていて、細かいけどとても真摯な言葉遣いだと思った。このポップを創った人好きだ。
さておき。思考に戻って。僕が過去の思想家の主張が好きなのは、その時代の当たり前、常識から外に行こうとしていたから。例えばタレスさん。万物は水からなるって主張した人。これを笑える人には哲学は向いていない。たぶん笑える人って原子論の辺りだと思うけど、最新科学では量子だし。一般的知識としてはもっと神話的な世界観が蔓延っていた時代、世界は神様が創ったとされていた。その時代に神様から離れて世界を再構築できる発想力がすげえなと。
ヘーゲルさんが骨格で人格が決まるっていう説に対して猛反論したのもそう。凄く分かり易く一定の人間を隔離できるもんな。それを現実化したのがヒトラーとか、日本の治安維持法とか。持っているものについて、結果が決まっていることに対して考えることは思考ではなくて悩みだろう。悩みではどこにも行けない。
個人的には、そのうち個人の魂が客観的に観測できるようになるのではという展望がある。素朴な世界においてもっともエネルギーを持つものは、習慣ではなく意志で、意志は何処からくるのかというと倫理的なものを取り除けば、どこから来たか分からないもの。これはいつか可視化されると思う。やる気とか気力とか、きっと物理的な脳の作用だけではない。
ともあれ。制度について考えるとき、既存の精度に対して直感的に是非を決めることは思考ではなくて判断で。
例えば、婚姻制度。家族法は常識とはやや乖離していて細かくて大変。まぁ結びついている状態であれば特に気にする必要ないものだけど。
パートナー関係と婚姻について。これって、パートナーとして共同生活することが社会的に承認されるのが婚姻制度に依拠するってことだと話はとても簡単で、今の所まだこれが主流派だと思う。結婚願望がある人はこの先はあまり読まなくても良いかも。
婚姻関係がある男女を単位にするという考え方は構造的に合理的だとは思う。だいたい子供を産んでくれるし、個人でも見るよりつがいとか家族で括った方が国としては管理がしやすいからこの単位を純粋な個人より優遇するのも政治的には正しい思考回路。
パートナー関係が物理的な共同生活に寄っているのだなって思ったのが、民法で規定されている離婚原因。不貞行為、悪意の遺棄、回復の見込みがない強度の精神病、三年以上の生死不明、その他。だいたいまぁそうだろうなって思うけど、微妙なのが、精神病。他はなんとなく結び付きの乖離だと思うけど、連れが鬱になったら離婚できるのかいなって。現実はもっと細かいけど、言いたいのは、ここにある共同は物理的な結びつきなのだろうなと。
確かに、精神的な結び付きは観測できないし、物理が長くなればなんだかんだ愛着沸いてしまうものだから決めなくても良いけど、この結び付きに依拠してしまうことはどうなのか。あと、個人同士で契約としてパートナー関係を構築するというのもあったけど、その細かい決めごとが法的に保護されるかとなったら、そこまでいちいち見てられないってことなりそう。
もう時間もないので、最後。
僕が想う結び付きは、物理的なものには依っていない。タイミングが合わないのも良いし、合うのも良い。合わないのは、階層が違うところで生きているからで、それでも繋がろうという意志もあるから。
僕の中ではむしろ物理的な結びつきの方がめぐり合わせのたまたま感がある。
たまたまこの肉を持って、この肉の座標が相手と近かっただけ。物理的な邂逅の誘いは、別に共同生活に向けた求愛行動ではない。あ、だから駄目なのか。
明日から６時半起きなので寝ななくては。
良い夢を!
